電子メールを発明し、メールアドレスの「@」を考案したとされるレイモンド・サミュエル・トムリンソン氏が74歳で死去した。トムリンソン氏は、ユーザー名と送信先アドレスを結び付け、社内メールと社外メールを区別するために「@」記号を考案した。
マックワールド:
「ユーザー名(ログイン名)にアットマークとホスト名を追加することにしました。なぜアットマークを選んだのかとよく聞かれますが、アットマークは理にかなっているからです」と彼は最初のネットワークメールに関する投稿に書いています。「(英語の)アットマークの目的は、単価(例えば、10個で1.95ドル)を示すことです。アットマークを使うことで、ユーザーがローカルではなく、どこか別のホストにいることを示すことができました。」
トムリンソン氏は、コンピューターのキーボードから「@」記号を削除することを検討していた人もいたことから、自分が「@」記号の絶滅を防いだ可能性があると指摘した。
「いいえ、アットマークを発明したのは私ではありません!アットマークは何世紀も前から存在していました。もしかしたら、キーボードからアットマークを削除しようかと検討していた人がいたかもしれません。そうしたら、セント記号とともにアットマークも消え去っていたでしょうから、私がアットマークを絶滅から救ったのかもしれません。今では、メールを送る時はみんなアットマークを使っています。アットマークの歴史について読んでみてください。」
トムリンソン氏は1941年にニューヨーク州アムステルダムで生まれ、1963年に電気工学の理学士号を取得後、MITで学んだ。1967年に研究開発会社ボルト・ベラネック・アンド・ニューマン(現在のレイセオンBBNテクノロジーズ)に入社した。
トムリンソンがARPANET初の電子メールアプリケーションを開発したのは1971年のことでした。当時開発中だった2つの別々のプログラムを組み合わせることで実現しました。SNDMSGはローカルユーザー間メールプログラムで、CPYNETは実験的なファイル転送プログラムでした。この2つを組み合わせることで、ユーザーは他のコンピュータ上のユーザーにメッセージを送信できるようになりました。(ARPANETは後にインターネットの基盤となるネットワークです。)
Googleのチーフインターネットエバンジェリスト、ヴィントン・G・サーフ氏は、トムリンソン氏の死を「非常に悲しいニュース」と表現した。GoogleのGmailもトムリンソン氏の貢献を称え、「電子メールを発明し、@記号を世に知らしめた」ことに感謝の意を表した。