米司法省は昨日、麻薬密売容疑者のiPhoneのロック解除を捜査当局に協力するようアップルに強制することはできないとするニューヨーク連邦地裁判事の判決を覆すべく、マーゴ・ブロディー連邦地裁判事の裁判所に訴訟を起こした。
マックルーマーズ:
先週、ジェームズ・オレンスタイン治安判事は、FBIにはAppleにiPhoneのパスコードを回避するよう強制する法的権限がなく、検察側が1789年の全令状法を用いたのは違憲の越権行為である、との判決を下した。
「この問題をめぐる最近の議論を踏まえると、この訴訟が何に関するものではないのかを簡単に指摘しておく価値がある」と司法省の裁判所提出書類は述べている。「Appleは、現時点で実行能力がないことを要求されているわけではない。」
政府は提出書類の中で、サンバーナーディーノ銃撃犯のiPhone 5cに関する事件を、全令状法が実際にAppleのような企業にデバイスのロック解除を強制するために使用できることを示す証拠として挙げた。
「一方、2016年2月16日、カリフォルニア州中央地方裁判所において、政府は、カリフォルニア州サンバーナディーノで起きた大量殺人事件に関与した銃撃犯の一人の携帯電話へのアクセスに法執行機関が協力することを求める全令状法に基づく命令を獲得した」と司法省の弁護士らは提出書類の中で述べた。
ニューヨークの事件は、覚せい剤密売共謀罪で有罪を認めたジュン・フェンが使用したデバイスに関するものだ。司法省は、他の共謀者を見つけるための手がかりを得るため、彼の携帯電話のロックを解除したいと考えている。
サンバーナーディーノ事件のiPhoneにはiOS 9がインストールされているが、フェン氏のiPhoneはiOS 7で動作しており、iOS 8以降のiPhoneで使用されているのと同じ暗号化技術は搭載されていない。
Appleは、iOS 7以前のiPhoneに関する過去の訴訟では、ロック解除することなくデータを取得できるため、この命令に従ってきた。今回の訴訟においてAppleが特に問題視しているのは、政府が200年以上前に制定された「全令状法」を用いてAppleに協力を強制している点だ。