昨年の今頃、Appleと裁判所が任命したiBooksの独占禁止法監視機関との関係が改善されていたことを覚えている方もいるかもしれません。今はどうでしょうか?そうではありません。
AppleInsider:
マイケル・ブロムウィッチ氏がiPadメーカーであるアップルが同社に対する調査への協力を減らしていると非難する中、アップルと裁判所が任命した反トラスト監視団との間の緊張は高まり続けている。
ブロムウィッチ氏は、米国政府がアップルを相手取った独占禁止法訴訟で勝訴したことを受け、連邦判事デニス・コート氏からアップルの監視を命じられた。ロイター通信によると、ここ数ヶ月、ブロムウィッチ氏とアップルの関係は悪化の一途を辿っている。
ブロムウィッチ氏はコート判事に対し、アップル社が最近同氏とのやり取りでより「敵対的な口調」をとるようになったと報告し、同氏の要請をアップル社が拒否したため1月以降インタビューは実施されていないと付け加えた。
一方、アップルはブロムウィッチ氏の調査の範囲に異議を唱え、裁判所の当初の意図をはるかに超えていると主張している。一部の識者もアップルの主張に同調しており、1月にはウォール・ストリート・ジャーナルの論説欄がブロムウィッチ氏のアプローチを「現代の独占禁止法の基準から見ても、重大な濫用」と酷評した。
ウォールストリート・ジャーナルは、アップルがブロムウィッチ氏をこの調査で訴えるべきだとさえ示唆している。この調査はこれまでに同社に265万ドル以上の費用がかかり、同社のSiri、マップ、ハードウェアエンジニアリングなど、電子書籍とは関係のない社内のグループに対する調査も含まれている。
米国政府のアップルに対する判決には、同社が出版社と不正な取引を行うことを禁じる内容が含まれており、ブロムウィッチ氏はアップルがそれに従うよう監視する立場に置かれた。
アップルは、同社と書籍出版社の間で違法な取引は行われていないと主張し、訴訟を続けている。
政府の訴訟は、Appleとその出版社パートナーが電子書籍の価格設定に用いていた価格モデル、いわゆる「代理店型」価格設定モデルに端を発するものでした。このモデルは、出版社が同一タイトルを他社でより低価格で販売することを妨げていました。
iBooks の発売当時、電子書籍の 10 冊のうち 9 冊を販売していた Amazon は、「卸売モデル」を採用していました。このモデルでは、Amazon などの小売業者に価格設定の権限が与えられ、希望に応じて卸売価格よりも低い価格で販売することができました。