Apple Payのオーストラリア進出は、国内大手銀行から妨害を受けている。銀行はAppleのビジネス慣行が反競争的だと主張しているのだ。銀行は、自社のモバイル決済システムで利用するために、iPhoneに内蔵されたNFCハードウェアへのアクセスを要求している。Appleはアクセスを拒否しており、オーストラリアの裁判所は3月にAppleに有利な判決を下すと予想されている。

裁判での勝利が予想されるにもかかわらず、Appleは銀行との論争を続けている。ブルームバーグは次のように報じている。
アップルは月曜日に公表されたオーストラリア競争消費者委員会への最新の提出書類で、銀行が「アップルペイの拡大を遅らせようとしている」と懸念を示し、消費者と、この技術を「大手銀行と競合してデジタルプレゼンスを確保する手段として」利用できる小規模カード発行会社の両方に損害を与えていると述べた。
Apple、NFCへのサードパーティアクセスはセキュリティを損なうと主張
Appleは、オーストラリアでのApple Pay導入に対する銀行の反対は、この決済サービスを利用したい消費者と加盟店の両方に悪影響を及ぼしていると主張している。同社は、iPhoneのNFC機能への第三者によるアクセスを許可することは、セキュリティとデバイスのシンプルさを損なうと主張している。
ACCCは12月の判決案において、オーストラリア・コモンウェルス銀行、ナショナル・オーストラリア銀行、ウエストパック銀行、ベンディゴ・アンド・アデレード銀行の4行に対し、団体交渉の許可を与えなかった。最終判決は3月に下される見込みだ。オーストラリア・ニュージーランド銀行グループは4月にApple Payの導入を決定しており、今回の訴訟の当事者ではない。
銀行は「真の選択肢」を提供したいと語る
グループとしてアップルと交渉する権利を求めている銀行らは、今回の訴訟はオーストラリアでアップルペイが使われるのを阻止することが目的ではなく、常に「消費者に真の選択肢と真の競争を提供し、オーストラリア人が利用できるデジタルウォレット機能への革新と投資を促進すること」が目的だと述べている。
オーストラリアでは、銀行の対応が遅れているためApple Payの普及が遅れていますが、この国では非接触型決済サービスのサポートが利用可能です。現在、オーストラリア・ニュージーランド銀行グループ、アメリカン・エキスプレス、そして多くの小規模銀行や信用組合が顧客にApple Payのサポートを提供しています。