アップルと米国法執行機関の間では、国民の心をめぐる論争が続いており、ニューヨーク市警察の対テロ責任者ジョン・ミラーは、モバイル機器のセキュリティ確保に暗号化技術を使うことでアップルが犯罪者を助けていると非難する新たな非難を浴びせた。
ニューヨーク・デイリー・ニュース:
著名な警察副長官は、ジョン・カツマティディスのラジオ番組「ザ・キャッツ・ラウンドテーブル」に出演し、物議を醸しているiPhoneの暗号化ポリシーについてアップルを激しく非難した。
「なぜアップル社が考えを変え、警察を支援できないシステムを実際に設計することにしたのか、いまだに分からない」とミラー氏はカツマティディス氏に語った。
「これは実際に、ライカーズ島の電話で外にいる同胞に『iOS 8 を入手しなくてはならない。これは神からの贈り物だ』と話しているのが録音されている誘拐犯、強盗、殺人犯たちを実際に助けていることになるんです。『警察はそれを解読できないんだから』と」とミラー氏は語った。
ニューヨーク地方検事サイラス・バンス氏も先週の米国議会公聴会で同様の説明をし、アップルの暗号化により、犯罪行為に関連する175台のiPhoneに同局がアクセスできなかったと主張した。
米国政府はこれまで、サンバーナーディーノ銃乱射事件の犯人サイード・ファルークが使用していたiPhone 5c 1台のみへのアクセスを求めていると主張していたが、ミラー氏を含む法執行当局者らのこれまでの発言はそうではないことを示している。
「現在、マンハッタンの地方検事サイ・ヴァンスのオフィスには、犯罪に関与したとして裁判官が発行した捜索令状の対象となっているiPhoneが175台積み上げられている」とミラー氏は憤慨した。
先月、米国連邦裁判所は、ファルーク氏が使用したiPhone 5cのデータへのアクセスをめぐる連邦捜査官の捜査に協力するようアップルに命じた。アップルはこの命令に正式に反対しており、3月22日にFBIを相手取って法廷で対決することになる。