サンバーナーディーノのテロリスト、サイード・ファルークのiPhoneのロック解除をめぐる噂のほとんどは、FBIがイスラエルのモバイルフォレンジック企業、セレブライトの技術を利用したことを示唆しているが、 ワシントンポスト紙の 報道によると、FBIはプロのセキュリティ研究者のグループの支援を受けていたという。
普段は目立たない存在である研究者たちは、ソフトウェアの脆弱性を探し出し、場合によってはそれを米国政府に販売することに特化している。彼らは解決策に対して、一回限りの定額報酬を受け取っていた。
報道によると、ハッカーたちはFBIに、これまで知られていなかったソフトウェアの欠陥について報告した。FBIはこれを利用してハードウェアを作成し、iPhoneにアクセスした。このハードウェアによって、FBIはデバイスを消去することなく、複数のパスコードを入力する「総当たり方式」でパスコードを推測することができた。
FBIは問題のデバイスへの侵入方法を見つける前に、銃撃犯のiPhone 5cで使用されていたオペレーティングシステムであるiOSに組み込まれているパスコードセキュリティ機能を無効にする新しいバージョンのiOSを作成するようAppleに要求していた。
以前の報道では、FBIが3月21日にセルブライト社と1万5000ドルの契約を締結したと報じられていたが、同日、司法省はAppleに対し、iPhoneのロック解除を支援する命令に従うよう強制するため、予定されていた公聴会の延期を要請した。しかし、ワシントン・ポスト紙は、FBIはセルブライト社のサービスを利用していないと報じている。政府がどのような方法でロック解除を行ったにせよ、結果としてAppleに対する訴訟は取り下げられた。
米政府は、iPhone 5c の解読に使用された手法を Apple 社に開示するかどうかをまだ決めておらず、クパチーノの同社はその情報を得るために訴訟を起こす予定はないと述べている。