アップルのティム・クックCEOは日曜のワシントン・ポスト紙の論説記事で、企業が宗教的理由で個人へのサービスを拒否することを認める法案を「非常に危険」と非難し、「アメリカはすべての人にとって機会のある国でなければならない」と述べた。
「これらの法案は、私たちの多くが大切にしているものを守るふりをして、不正を正当化しています。私たちの国が建国された理念そのものに反し、平等性の向上に向けた数十年にわたる進歩を台無しにする可能性があります。」
クック氏は過去にも人種差別や性差別について発言しており、アリゾナ州の同様の法律(同州知事により拒否された)に反対しており、金曜日にはインディアナ州で最近可決された新しい法律に対する自身とアップルの失望をツイートした。
クック氏は、企業による差別を認める「一連の法案」に反対することは、自身の宗教的信念にまったく反するものではないと記した。
「私は信教の自由を深く尊重しています。子供の頃、バプテスト教会で洗礼を受け、信仰は常に私の人生の重要な部分を占めてきました。宗教を差別の言い訳に使うべきだと教えられたことは一度もありませんし、私もそうは思っていません。」
クック氏は南部での自身の子供時代を思い出し、そこでの差別の影響を振り返った。
「1960年代、70年代に南部で育った時のことを覚えています。差別に対抗するのは容易ではありません。いつも目の前に突きつけられるわけではありません。影に潜んでいるのです。そして時には、私たちを守るはずの法律の中に、その差別が隠れていることもあるのです。」
クック氏は、差別は間違っているだけでなく、差別が認められている州ではビジネスにも悪影響を及ぼすと主張した。
アメリカのビジネス界は、あらゆる形態の差別がビジネスにとって有害であることをずっと以前から認識してきました。Appleは、お客様の生活を豊かにし、力を与えるために事業を行っています。私たちは公正かつ公平な方法でビジネスを行うことを目指しています。だからこそ、私はAppleを代表して、この新たな法案がどこで起ころうとも、反対の立場を表明します。
クック氏は昨年、大企業で初めて同性愛者であることを公表したCEOとなり、その知名度を生かして差別との戦いを主導してきた。
アップルは企業としても多様性を推進しており、2014年に初の多様性レポートを発行し、昨年6月にサンフランシスコ・プライドパレードに参加、今月初めにはフェイスブック、グーグル、マイクロソフトなどの企業とともに米国最高裁判所に全米での同性婚合法化を求めている。