AppleとSamsungの疲弊する法廷闘争がまたも続く中、オーストラリアの裁判所がSamsungに2012年3月の早期審理日を認めたとBloombergが報じている。Samsungは、オーストラリアにおける複数のApple製品の販売を禁止する仮差し止め命令の獲得を目指している。
オーストラリア連邦裁判所のアナベル・ベネット判事は本日、サムスンの主張に関する裁判を3月に開くよう命じた。カリフォルニア州クパティーノに本社を置くアップルは早期の裁判に反対しており、弁護士のスティーブン・バーリー氏は、訴訟の準備には更なる時間が必要であり、8月に審理を行うべきだと主張していた。
世界最大のスマートフォンメーカーであるサムスンは、前四半期にアップルによるiPhoneとiPad 2の販売を差し止める仮差し止め命令の申し立てを取り下げ、代わりに早期審理を求めている。オーストラリアでのこの裁判は、サムスンが国際貿易委員会(ITC)で同様の主張をめぐって米国で起こしている訴訟の前兆となる。バーリー氏によると、この訴訟は5月と6月に審理される予定だ。
どうやらサムスンの一般的な戦略は、アップルのデバイスの販売を差し止める仮差し止め命令を求めるのを控え、その代わりにできるだけ早く各訴訟の完全な裁判を確保するよう努めることになっているようだ。これはサムスンが、自社の本拠地である韓国で iPhone 4S の販売を阻止しようとしないことに決めた理由と似ている。
サムスンは現在、オーストラリアでの訴訟でiPhone 4、iPad 2、iPhone 3GSを対象としており、将来的にはiPhone 4Sも訴訟の対象に加えると予想されている。
両社間の激しい法廷闘争は現在10カ国にまたがり、これまでに20件以上の訴状が提出されている。サムスンは今のところ、アップルに対する差し止め命令を1件も勝ち取っていない。